【金属加工】櫛歯型NC旋盤は刃物の高さを合わせないと芯が残る

加工業

今日も金属加工業の体験談をご紹介していきます。金属加工業はさまざまな機械がありますが、今回のもNC旋盤についての体験談をお話していくので、そうなんだぁ、といった感じで見ていただけると嬉しいです。

刃物台を置く場所をキレイにして刃物を装着

櫛歯型NC旋盤は、刃物を台の上に置いて固定して金属を削っていくので、タレット型のNC旋盤とは全く違った段取りをしなければなりません。まずは刃物を置く部分をエアで拭いて、ダスターでしっかりと拭き取ります。

そうしないと、切粉が挟まって正確な高さが出せないからです。もちろん刃物台の底の部分もしっかりとキレイに拭き取って台に固定していきます。このとき、どこに刃物を固定していいわけではなく、削る品物に当たらないよう間隔をあけて設置します。

刃物台を固定したら、今度は刃物を刃物台に固定していきますが、このとき重要なのが高さを正確に出さなければならないのです。

なぜ刃物の高さを合わせるのか

櫛歯型のNC旋盤は、刃物台に刃物を固定して加工するのですが、刃物によって厚みが違います。だからすべての刃物の高さを同じ高さに合わせる必要があるのです。そうしないとどうなるのかは後で説明します。

刃物の高さを合わせるためには、薄い金属の板や厚紙などを使って調節していました。実は高さを合わせないと刃物が破損してしまうのです。刃物を固定するツールはタレットと同じものを使いますが、結構な価格です。

もし高さを合わせないで加工をしたら、刃物台の下の部分が加工する素材に当たってしまい、ひどいときには割れてしまったり、素材が吹き飛んだりするかもしれません。

一度破損してしまった刃物台は、曲がってしまったりチップを固定する部分が壊れてしまい、使えなくなってしまう可能性もあるのです。

刃物の高さが合ってるか確認するには

刃物を取り付けたときに、必ず高さを測定します。でも見た目で合っていると思っても、微妙にずれているケースもあるにはあるのです。そんなときには一度端面を削ってみるとわかります。

素材を回転させて刃物を端面に近づけて、中心までX方向だけを移動させて削っていきます。Xが0を超えたら一度刃物を戻して、削った素材の端面を触ってみてください。もしもポチっと触るものがあれば、高さが合っていません

そしたら何か1枚刃物台の下に挟んで固定し、もう一度削ってみます。もしポッチがなくなれば高さは合っています

実は高さが合っていない状態で削ると、ドリルで穴あけするときに問題がおこりますので、必ず高さは合わせて欲しいです。ていうか、絶対に合わせなければなりません

なぜ高さが合っていないとダメなのか

先ほども少し触れましたが、ドリルで穴あけするときに問題が起こります。もし中央が膨らんでいたら、ドリルがまっすぐに入っていきません。歪んだ状態でドリルが入っていくので、ひどいときにはドリルが折れます

加工業している方ならわかると思いますが、ドリルは細くても高いし太くても高いです。余計な出費を控えたいならツールの高さをしっかりと合わせる必要があるのです。

当然ですが、外径用・内径用・ドリル・センタードリルなど、全てのツールの高さを必ず指定の高さに合わせます。高さは機械によって変わるかもしれませんので、必ず説明書を読んで高さを合わせてください。

段取りをするときに、中央に近づけて削ろうとしたときに、ぐにゃっと曲がった瞬間の恐ろしいことといったら、筆舌にしがたいものがあります。

私は高さが合わなくて怖い目にあったことはありませんが、想像しただけで恐怖してしまいます。もちろんタレット式の場合も、刃物の位置は重要なので、必ず合わせるようにしてください。

今回は、こんな感じでNC旋盤の高さの合わせ方、高さが合わないと怖い目にあうといったお話をしました。金属加工業はものづくりとしては非常に楽しい仕事なので、ぜひ興味を持った方は体験して欲しいです。

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